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CO2濃度について

 

 

2020年から感染者が確認されている新型コロナウィルスは撲滅することはなく、現在も夏、冬を中心に広がっている状態ですが、
感染初期の頃、感染対策として「CO₂濃度」という指標が注目されました。

 

この濃度が高いと換気がされておらず、感染リスクが高まるとして警鐘がならされていました。
しかしこの「CO₂濃度」というものはコロナ禍以前から、建築物衛生法に規定されている基準や、学校の環境衛生においても用いられるものとなっております。

 

今回は「CO₂濃度」について簡易的ですが紹介していきます。

 

 

「CO₂濃度」とは、空気中にどれくらい「二酸化炭素」が含まれているかの割合を示すものであり、単位として「ppm」という単位が用いられます。1ppmは%に換算すると0.0001%となり、一般的に建物内で、人が呼吸する時に排出される二酸化炭素によってこの値は増えていきます。

 

新型コロナウィルス感染症防止対策としてこの値が注目されました。

なぜなら、この値が高くなるという事は、外の空気との入れ替えが行われていない、「換気の悪い密閉空間」という状態が示されるからです。
そのため、換気が十分に行われているかどうかを確認するための方法として、「CO₂濃度」の測定という手段が使用されるようになりました。

 

 

 

そして、二酸化炭素濃度が単純に増加した状態でも人体に影響があるとの報告が各国の調査で明らかになっています。

 

一般的には1000ppm、0.1%を超えると、倦怠感、頭痛、耳鳴り、息苦しさ 等の症状が増加し、眠気や集中力の低下も報告されており、立命館大学の論文では、「CO₂濃度」が高くなるにつれてタイピングミス率(キーボードを操作する際に文字を打ち間違えること)が高まるとの報告もあります。

 

充分に換気を行うことは、新型コロナウィルスなどの感染対策になるだけではなく、
健康増進、仕事や学習の効率の向上にもつながりますので、窓の開放や、換気扇を用いて
換気を行うようにしましょう。

 

ケミストムトウ薬局では、「CO₂モニター」が全店導入されており、
モニターを確認しながら、適宜換気を行っております。

 

9月も終わろうとしていますが、ようやく暑さも落ち着いてきており、これから気温が下がるにつれて季節性のインフルエンザなどの感染症も流行するようになっていきます。
今回お伝えした換気に加えて、適度な湿度を保つ、栄養のある食事をとる、手洗いなどで清潔にし、ウィルスの体内侵入を防ぐなどの対策をきっちり行っていきましょう。

 

 

 

 

【参考】
教室の学習環境と学習効果に関する研究「CO2濃度変化及び温熱環境が作業性と生理心理量に及ぼす影響」(空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集[2018.9.12~14(名古屋)]

室内空気質のための必要換気量(公益社団法人 空気調和・衛生工学会/換気設備委員会・室内空気質小委員会報告書 平成28年10月31日) 厚生労働省HP mhlw.go.jp

 

 

ケミストムトウ薬局 千種台店(2025年9月)

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